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「病名がつかないが長びいている咳」にも、最終的な診断がつくよう尽力します

慢性的な咳や息苦しさなどにお困りの方には、診断がつかず悩んでおられる方が少なくありません。病名がわかればほっとして、前向きに治療に取り組むきっかけにもなりますので、慢性的な症状にも最終的な診断がつくよう精一杯尽くします。

日々の診療のなかで、最も気を付けている事を教えてください。

喘息など呼吸器の疾患は、医師の技術次第で診断が大きく変わってしまいます。そこで、非常にアナログな仕事なのですが「問診と聴診」、これに力を入れています。症状と経過を詳しく患者さまから聞き、聴診器でしっかり調べること。診察の基本ですが、呼吸器疾患においては、技術が大変必要とされるところです。

例えば聴診器を使うにしても、呼吸の仕方、聴診器を当てる場所によって得られる情報が異なります。呼吸器の病気は、問診と聴診で大部分が推察できるため、丁寧に行うことが早期治療への一歩かと考えています。

また、スタッフさんに患者様への対応で徹底しているようなことはありますか?

スタッフが患者さまからの質問を受ける際に、しっかりと耳を傾けることです。また、採血やレントゲン検査の最中に、患者さまが診察室では思い出せなかった新しい情報をお話されることもあるので、そういった情報を引き出すためにも、患者さまのペースにあわせて急がずに対応することを心がけています。

呼吸器専門医としてのやりがいを教えてください。

“全国的にもそうですが、特に北陸地方は呼吸器疾患に注力する医療機関が少ない傾向です。そのような環境にあり、当診療所には原因不明の呼吸器症状にお困りの方も来院されます。長びく症状をお持ちの方に、出来るだけ早く最終的な診断がつくよう尽力して、この地域の医療に少しでも貢献すること。それを目標にすることがやりがいにもつながっています。

「咳が長い間止まらない」という患者さまの多くは病名がついていません。診断がつかなければしかるべき治療につながらず患者さまも不安になられます。その問題を改善するために、お一人おひとりしっかりと診察させていただきます。

呼吸器・内科・アレルギーの3つの専門医を持つからこそ見えてくる治療や予防などがあれば教えてください。

咳が出るときは、いろんな原因が複雑に絡んでいるケースが多くあります。例えば、肺がんなどの悪性腫瘍、結核や肺炎などの感染症、咳喘息やアトピー咳嗽といったアレルギー性疾患の場合もあります。このように咳は幅広い病気と関連するため、呼吸器内科、アレルギー科、内科全般の知識を融合させて診るようにしています。また各専門医の資格を維持するために、新しいガイドラインを勉強し続けていることは、研鑽を深めるのに役立っていると思います。

喘息は小児のイメージがあるが、大人になってから発病することはあるのか?

喘息全体でみると、実は成人を過ぎて発症する方のほうが多いのです。子どもの場合、成長に伴い半数は症状が出なくなりますが、そのうち半数は20歳以降に再発します。そのような例も含めると7割は大人になってからの発症です。その多くは大きな発作があるタイプではなく、「何か咳が出るな」「胸のあたりがおかしいな」という軽い症状の慢性型です。

渡航ワクチンを始める理由と、なぜワクチンを接種した方がいいのか。

近年、日本と諸外国の間で旅行者などの行き来が活発になり、海外から持ち込まれる感染症も増加傾向にあります。そのような中、感染症から身を守る対策として最小限にリスクを抑えるのが渡航ワクチンです。

例えば昔日本で流行し今は撲滅されつつある「麻疹」や「はしか」。これらは輸入感染症の一つとされ、時に大流行することもありますが、ほぼワクチンで予防できます。年齢によってはワクチンを1回しか接種していない方もいますので、抗体が十分にあると分からない場合は、追加接種を検討する必要性があるでしょう。

また、狂犬病や破傷風はワクチン未接種であるがゆえにリスクのある方が少なくありません。そして、東ヨーロッパやロシアには、「ダニ脳炎」という感染症もあります。このように、あまり知られていない情報もありますので、当診療所では感染症予防に関する研鑽を深めつつ、知識を広めていきたいと思っています。

地域医療に取り組んでらっしゃることを教えてください。

地域医療の中では予防医療が大切になってきています。一般的な内科診療については、医療機関も充足しているかと思いますが、予防医療については全体的に十分とは言えない状況かと思います。そのような現状の中で、当診療所では65歳以上の肺炎球菌ワクチンの接種率を上げあれるよう、貢献していきたいと考えております。

普段から気を付ける点、生活習慣のアドバイスをお願いします。

呼吸器の慢性疾患には、COPDや喘息といった病気があります。COPDの場合は喫煙が大きく関与するため、禁煙は予防の基本ですが、かといって禁煙だけでは状態は改善せず病気が進行するケースも多くあります。そこで、吸入療法や内服療法など必要な治療はしっかりと続けることが大切になります。症状が改善しても続けなければいけない治療は続けることが重要です

とくに喘息の場合は、大きな発作による突然死のリスクが背中合わせにありますので、症状が良くなったあとのゼロレベルの治療が大切です。